加寿美庵 谷津店長の【そばのうんちく話】の第五話です。
そばの道具

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麺食文化の伝承と創造を目指して  

 

●●つなぎと割り粉●●

作業の流れと道具とは密接な関係があり、そばの歴史の中でも合理性や機能性が追及されてきました。それぞれの作業で使われる道具には次のようなものがあります。

 
●そばを作る道具

1.木鉢(きばち)
 そば粉に水を加え、こねる時に使用する道具です。木鉢は、もともと農山村に家庭における常備
 品でハレの日に団子や麺類などを作るときに使用されました。現在はステンレス製の代用品が
 用いられています。

2.打ち棒(うちぼう)
 「麺棒」ともいわれ、麺を巻いたり、延ばす作業の工程で使用されます。
 巻きには長いもの(120cm)、延ばしには短いもの(90cm)を使い分ける「江戸流」という技もありま
 す。麺棒の太さは3cmくらいが一般的です。

3.打ち板(うちばん)
 「麺台」あるいは「延し台」とも言われます。手打ちでそばを布状に打ち延ばす時に下敷きにする
 台です。ソリや歪みが生じないような材質(桂、ヒノキ、桜)が利用され、厚手のものが良いとされ
 ています。

4.そば切り包丁
 そば専用の包丁で刃幅がきわめて広いのが特徴です。一般的には片刃で柄の部分は、にぎり
 やすい形をしており、手が滑らないよう工夫されています。

5.切り板(きりばん)
 手打ちそばを切る平らな板状のもので、まな板のことです。木製のものが使われるのは手首へ
 の負担の軽減と狂いが生じた場合には削りなおすこともできるためです。

6.小間板(こまいた)
 江戸前の手打ちそばに必要な道具で定規の役割をします。そばをきれいに仕上げるには必要な
 道具です。また、仕事が能率的に行えます。

7.生舟(なまぶね)
 そば店において生そばを入れ保存する箱のことです。「切り溜」ともいわれます。杉、さわら、ヒノ
 キ、桐材が材質として使われますが、割り粉の少ない純度の高い生そばの場合には切れやす
 いので湿度を自然に調整してくれる桐材が最適だといわれます。
 

●そばをゆでる・洗う道具

1.片手桶(かたておけ)
 そばがゆであがり揚げ脉(あげざる)ですくいあげ、流し台においた際に、すぐに水をかけて冷や
 す際に使われます。

2.横びつ
 釜の前の流しに置かれ、元桶のきれいな冷たい水をくみいれ、そばをひきしめるために使われま
 す。

3.揚げ脉(あげざる)
 ゆであがったそばをすくうために用いられ、昔より細い竹や柳が材質として利用されてきました。
 最近ではステンレス製のものに代わりつつあります。

4.溜め脉(ためざる)
 水洗いしたそばの水切れをよくするために使う道具です。揚げ脉に比べ底が浅いのが 特徴で
 す。

5.振り脉(ふりざる)
 ゆでたそばを暖かいそばとして出す場合に一人前ずつ脉に入れ、湯にくぐらせ、湯をきるときに
 使います。
 

●汁をつくる道具

1.寸胴鍋(ずんどうなべ)
 だし汁をを作る際に使う鍋です。以前は鉄板の表面をホーロー質でおおったものを 利用していま
 したが、今日ではステンレス製のものが使われています。

2.五合杓(ごんごうびしゃく)
 汁をかきまぜたり、汲み出すときに使われます。容量が五合入るところから、五合杓と呼ばれ計
 量の際の基準に なっていました。

3.かえしがめ
 かえし(醤油と砂糖を混ぜ合わせ)をねかせるために利用される陶器製のかめです。数時間ねか
 せることで、醤油の角がとれ、あたりがやわらかくなります。

4.土たんぽ(つちたんぽ・どろたんぽ)
 陶器の焼物でそばの辛汁(つけ汁)を湯煎するための道具です。金属製の金たんぽもあります。
 東京高尾の里 加寿美庵
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